バイリンガルのデメリット
ごきげんよう🌈
プロファイリング子育てインストラクターの小野塚 美知穂です。本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます。
【バイリンガルのデメリット】
1.どちらの言語も中途半端になってしまう。
どちらの言語も中途半端になってしまうことをSemilingual（セミリンガル）と言われます。何年もバイリンガル教育を受けていれば日常の会話は問題ありませんが、人間生きていれば細かな感情の起伏を表現することもあるでしょう。その時にどちらの言語でも、十分に自分の気持ちを表現出来ないのはとても苦しいものです。また、話せても、読み書きが不得意だと学習効率も下がります。どちらの言語にも自信が持てないと、一番辛い思いをするのは、子ども自身です。特に日本語はネイティブに求められるレベルも高く、尊敬語や謙譲語など状況や相手で変化する言葉が多い習得の難しい言語ですから、海外で日本語を維持したいと思う場合は、本人の気持ちを十分理解して、配慮しながら進めることが大事だと思います。幼い時に「母国語」の基礎を、しっかりと確立しておいた方が、２番目、３番目の言語を習得する時に、定着が早いとも言われています。
2.文化的な混乱
バイリンガル教育の最大の魅力は二つの言語と文化を同時に学べることですが、導入の仕方やこどもの個性によっては文化的に混乱することもあります。特に欧米の文化や価値観と、日本の文化や価値観は違いが大きいため、子どもが混乱することがたびたび出てきます。家庭の中での母国語の確立をすることと、家庭の中で、何を大事な価値観としているのか？ということを、しっかりと子どもに伝えていく必要があります。思春期になると、日本VSアメリカの価値観の対立というのは、さらに色濃く親と子どもとの間で出てきますので、その都度よく親子で話し合うことも大切だと思います。
3.アイデンティティ・クライシスを抱えやすい
バイリンガルの子どもを育てていると、「アイデンティティ・クライシス」という問題は避けては通れません。アイデンティティ・クライシスは、思春期の子どもが陥りやすい心理状態と思われがちですが、二つ以上の文化の影響を受けながら、生活している子どもたちは、私たち親が思う以上に、自分は何者なのか？ ということを感じながら生活しているようなんですね。表面上はそうは見えなくても、心のどこかで葛藤していると言うこともあるかもしれません。アイデンティティって何？と考えると、要は「自分らしさ」ってことなので。これはバイリンガル教育に限らず言えることでるけれども、日頃から子どものありのままの姿を親が受け入れる、受け止めるという姿勢でいること、意識を向けるってことがとても大事になるんじゃないあな？と思います。
アイデンティティ形成の時に、最初に大事なのは家庭環境ですが、第二の誕生とも言われる、思春期の時期に、子どもたちがどんな組織に所属しているのか、どんな人と関わり合うのか？ということもすごく大事な要素になっていくと思います。どの集団に帰属しているかという「帰属意識」もまた、アイデンティティ確率に大きな影響を与えるからなんですね。
アイデンティティというのは、思春期の時期に、「自分はどんな人か？」ということに向き合うことで、一つの形が出来上がっていくと言われていますが、一度確立されたからと言って、ずっとそのままというわけではなく、本人のさまざまな内的・外的な刺激を受けることで、流動的に変化していくものです。
自分が一番自分らしくいられる場所、環境というのがとても大事になってくると思います。バイリンガルやトリリンガルの子ども達の場合は、帰属意識という部分で、混乱が生じる場合があるので、国籍や環境に囚われず、親ができることとしては「自分らしさ」であったり、その子だけの強みやユニークな才能を認めて褒めること、そうしたことが、アイデンティティクライシスを回避するために大事なことではないかと思います。
4.長い時間と労力、費用が発生する
なぜバイリンガルを目指すのか？のところでもお話ししましたことですが、言葉の習得、そして文化や歴史まで理解できるようにするには、かなりな長い年月をかけて、努力しなくては得られるものではありません。親もそれなりの覚悟をしてサポートしていく必要が出てきます。
バイリンガルのメリットと今日のデメリット、両方をよく考えて、家庭の中で、どのレベルを目指すのか？方針を決めて、目標設定を明確にしておくことが大事なことだと思います。
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