変化を感じる力を大切にしよう

ごきげんよう🌈

プロファイリング子育てインストラクターの小野塚 美知穂です。本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます。

【新入学、進級おめでとう!

日本では4月は入学式や、入社式など、新しいスタートの季節ですね。この週末私は、日本からの嬉しいニュースをいくつか受け取りました。息子の幼馴染や同級生の、大学入学の知らせです。みんなそれぞれの場所でとってもがんばっているんだなーということが伝わってきてとても嬉しい時間でした。

【狭き門 合格率10%減少?! アメリカの大学受験状況 2020-2021

フットボールの試合の後、さらに友達と出かけ深夜になって帰宅した息子とアメリカの大学進学の状況についての話をした時の話が、「思春期の子どもたちへの関わり方」についてというテーマにリンクする話でしたので、今日はそのことを書いてみます。

アメリカでの大学進学、今年のシニアは、パンデミックの影響をさまざまな形大きなインパクトとして受けました。まず、GPAの判定の仕方について、州や学校区によって、違いが生まれたのではないか?と思います。アメリカの大学進学において、GPAと呼ばれる、ハイスクールでの授業の成績はとても重要な要素となるので、高校生たちは、いつもこのGPAの数字を気にして過ごしています。

パンデミックの影響で、昨年はSATやACTなどの統一テストが一時的に受けられなくなったため、テストスコアを大学に提出できない生徒もかなりな数いたと思います。もちろん大学側も、テストスコアは出しても出さなくても良い、という対応策を提示するところがほとんどで、今後、このテストオプショナルという傾向はどんどん進んでいくと言われています。

それから、APやIB など、アドバンスクラスを選択していることを高く評価するという流れもどんどん進んでいます。その大切なAPテストも、今年のシニアは初めて自宅でオンラインでの受験をするという形になりました。システム障害で、うまくテストの回答が提出できなかったなどのトラブルもあって、受験生たちにとっては精神的にとても大きなストレスを感じる場面が多々ありました。もちろん、システムトラブルにより、不都合が発生した生徒は、クレームすることができ、再テストの対策がとられましたが、それにしても、通常とは全く違う形で、テストを受けなくてはならず、しかも短期間で調整しなくてはいけなかったので、負担が大きかったと思います。

最近になってわかってきたことは、パンデミックの影響で、大学へ入学してもキャンパスでの生活ができず、オンライン授業が続くのであれば、「ギャップイヤー」といって、1年入学を遅らせる、そういう生徒が多かったので、自ずと、今年の受験は、競争率がとても高い、狭き門であったということです。今次第にアプライした大学の結果がわかってきていますが、周りの友人たちの状況を聞けば聞くほど、今年の受験がいかに大変だったのか?ということがわかってきたと話していました。合格率は平均して10%マイナスだと聞きます。

【受験結果をどう受け止めるか?

そんな中、女の子の友達が親と大学のことで喧嘩になり、家を飛び出した、心配だから様子を見てくると、夜急に車で出かけていったことがありました。その時事情は詳しく聞かなかったのですが、大学受験で不合格になったことを親に責められ、大喧嘩になり泣き出して家を飛び出すことになった、ということでした。私は、息子の話を聞いて、その子がどんな気持ちで家を飛び出したのだろうと胸が痛みました。息子が話してくれたことは、実はアジア系の親に多くみられる出来事なのです。これまでも、テストの点をいつも気にして、成績が落ちると叱られる、そんな話をよく息子経由で聞いたことがあります。そんな環境もあって、息子に「マミィは、全然、俺に成績のこと 聞かないよね。それはすごくありがたい。いつもサポーティブでありがとう」と真顔で言われたことがあります。

いい大学に入ることが、良いという古い価値観に、親が縛られている場合、大きな変化が加速している「今」を生きている子どもたちにとって、親の価値観の押し付けは、ものすごく大きなストレスになると感じます。

組織や権威の力が尊重されたのは「土の時代」の価値観で、「風の時代」になっている今、それは通用しないと思います。私自身これまで、息子が積み重ねてきた文武両道の努力が果たして本当にこの先良い結果に結びつくのだろうかそもそも、大学へ行くことが、10年、20年先の子どもたちの幸せに結びつくのだろうか? そんな疑問や葛藤を感じながら、この1年、息子の大学受験を見守ってきました。

【親の思い、子どもの思い

私自身は、小規模なきめ細かく面倒を見てくれる、リベラルアーツカレッジで、スポーツも程よく続けられる、そんな大学へ行ってくれたら、母としては安心だなあと思う日々も多々ありましたが、息子は、今のハイスクールの規模よりは、大きな組織の大学へいきたい、もっと大きな世界、広い世界を知りたい、すごい人がいる場所へ行きたいという気持ちがとても強く、親の思いとは全く違う方向へ、突き進んで行きました。

こんな風に親の思いと子どもの思いはいつもすれ違うのです。そして、最終的に、大学へ行くのは私ではなく、息子。彼の人生は誰のものでもなく、彼自身が、自分で考え、自分で決断し、自分で目標を定め、自分で道を切り開いていくことが大切だと思っています。

いつの世も、子どもたちが時代の先を読み、変革を起こし、時代を作っていくのです。私たち大人は、古い価値観や物差しで、子どもたちの可能性を潰さないようにしなくてはいけないと強く思います。ですから私たち親世代が心がけることは、自分の価値観を押し付けるのではなく、時代の変化を感じとる感覚や感性を磨くこと、研ぎ澄ますこと。そして子どもたちから学ぶ、そういう姿勢なのではないか?って感じます。大学選びは大事な節目ではありますが、違うと思ったら、何度でもやり直せるし、長い人生で考えたら、たくさんある決断の中の一つでしかありません。子どもたちの選択を信じて、任せる、そして応援する。失敗や困難にぶつかったなら、その時は慰め、励まし、次の選択のアイディアを一緒に考える、応援するそんな関わり方をしていきたいと改めて感じました。

 

 

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